『なんで勉強するの?』という子供の質問に、あなたはどう答えますか?
月並みではありますが、いつの時代でも子どもが抱くのが「なんで勉強するの?」という疑問です。ほとんどの子どもは、ただ大人に言われるがままに勉強をこなしています。
だから勉強に対する意義がなかなか見えてこず、ヤル気も低迷してしまうもの。答え次第では子どもの勉強に対する姿勢を大きく左右するこの質問、あなたはどう答えますか?
子どもは社会の理不尽さを知らない
この質問は一見子どもが勉強をしなくてもよくなる言い訳を探しているだけのように思えますが、実際はそれだけで片付けていい問題ではありません。大人だって行政手続きのルール・会社のルールなどといったもののために、する必要がなさそうなことを嫌々行う場面なんて山のようにあります。
社会は複雑で理不尽なことばかりだけれどそれに従って生きていかなければならない、ということを子どもはまだ十分に理解できていません。自分で納得したことだけをすればいいものだと信じていますし、実際にそうやって生きているのが大人だと思い込んでいます。
だから「勉強するのが子どもの仕事だ」、「子どもが勉強するのが社会のルールだ」、といった答えでは子どもは満足しませんし、社会の理不尽さを飲み込めずに反発心を育てるだけです。勉強をすることが子どもにとってどれだけ大事なのかをマジメに話す必要があるのです。
大人の実体験を絡めて話す
子どもが納得する答えを与えるために、具体的な実例を出すのがベストです。あなた自身の経験や周りの大人の経験の中で、学生時代にした勉強が役に立ったエピソードを教えてあげましょう。
ただ、これは勉強した内容そのものが役に立った話をするのではありません。国語を習ったからコミュニケーションができる、算数を習ったから買い物ができる、ということくらい子どもでも理解しています。
子どもは2次関数・世界の川の名前・古文の文法といった、どう考えても日常生活で役立てられそうにないことを勉強する意義を求めています。こういった専門的な分野を掘り下げて仕事をする職業もありますが、子どもはその職業に就くつもりのない自分にはやっぱり勉強する必要がないのだと思い込んでいます。
ここでは、学校であらゆることを学び視野が広がった結果できたこと、学歴のおかげで物事がうまくいった経験を話してあげるのがいい対応です。
確かに大人になっても活用する機会のなかった知識を学生時代にたくさん勉強しましたが、その【経験】は確かに大人の生活の中で生かされています。そういった経験を話してあげることが子どもの納得する答えに繋がることでしょう。
子どもの未来に絡めて話す
勉強をして学力を伸ばせば、その分だけ進学先の選択肢が広がります。それによって子どもは将来の可能性を広げるチャンスを与えられているのです。大人になってやりたいことが見つかった時にそれを実現できるかどうかに深く関わってくるのが、学生時代にどれだけ勉強をしたかどうかです。
何が起こるかまだわからない未来に備えて今勉強しているんだということを教えてあげてください。
子どもにはまだ実感の伝わりづらい話で、大人にとってはどれだけ筋の通った説明でも納得しない場合もあります。しかし、子どもが自分のしていることや世間のルールに対して疑問を持ち考えるということは、とても大切なことです。
「くだらないことばかり考えるな!」と頭ごなしに叱るのではなく、その「理不尽」に抗おうとする心を尊重してあげてください。