「勉強に苦手意識があるお子さんは個別指導で」「もともと勉強ができるお子さんは集団授業で」が一般的によく耳にする選択でしょうか。お子様の学力や、お子様自身の性格にあわせて選んで頂ければ良いと思うのですが、残念ながら学習環境がお子様にとってベストでないが故に成績が低迷しているケースも多く見てきましたので、集団授業と併用する個別指導塾の賢い使い方をここでは提案させて頂きます。
集団授業では入試から逆算して作ったカリキュラムに合わせて指導しますので、きちんと授業についていくことができれば確実に力がつきます。また、集団授業では他の生徒さんの存在も大きく、良い意味での刺激になります。競争心も生まれますし、また、逆に励みになることもあるでしょう。
集団授業のメリットは大きいはずなのに、では、なぜ一様に全員の成績が伸びないのでしょうか。それは、授業中の説明をよく理解しないままになっている子がいるからです。
例えば集団授業で問題演習をさせた時、黒板で答え合わせをすれば講師は楽ですが、一人一人の理解度を把握することはできません。講師が席を回って行きノートを実際に確認すると細かなミスにも色々と気付いてやれますが、それも一クラス10人が限界です。
勿論、講師は全員の理解度が同じレベルまで到達するように気を配りますし、気になる子供にはフォローも入れます。授業外で補習することもありますが、毎回というわけにはいきません。クラス分けされていても生徒の数だけ学力の幅はある訳で、正直に申しますと、やはり手がまわらない生徒も出てきます。【参考記事】「塾、合わないから辞めたい」そんなときどうする?
また、途中から集団授業に参加した子に多く見られるのですが、これまでの土台になる学力差が縮まらず授業についていけないケースもあります。
つまずきかけている子供に気づいた時、授業中だけではフォローが足りず、もどかしく思うことが時々あります。小さな綻びなら簡単に治せますが、それが重なっていくと、その修正には何倍もの時間がかかるからです。
親御様の経済的負担がさらに増えますので教師側からはなかなか提案し辛いのが正直なところですが、土台になる学力に不安がある場合や、集団授業でついていけていないところがある場合は個別指導を併用してきっちりとフォローすることで、一つ一つ綻びを埋めて実力をつけることができます。
個別指導の先生の力を借りることで、最短の時間で軌道修正することができるはずです。
最後に、集団授業でうまく馴染めているお子様の場合は特に、個別指導のみにしてしまうと競争意識が薄れ、目標到達点が下がってしまう恐れがあります。あくまでベースは集団授業に置き、不安が解消されるまで個別指導を併用するという方法をお薦めします。