ある調査によると、食事・運動・室温などの環境を管理された施設内で生活したグループと、特に管理しないグループとを比較したところ、病気になる確率が低いのは後者の管理されていない人達だったという結果が出たそうです。意外ではありませんか?

 

管理され、一から十まで手をかけてもらえるような環境にいると、人は受動的になり、自らで考えることをしなくなるものです。自ら考え、自らの意志で行動する時に、人は本来の力を発揮するのです。

 

実は学習にも同じことが言えます。「家庭教師に任せておけば大丈夫!」と思っている生徒さんや親御さんが多くいらっしゃいます。しかしながら、どんなに優秀な家庭教師をつけたところで、成績が上がるとは限りません。むしろ家庭教師に頼りすぎると学力はかえって低下することもあります。

 

家庭教師の説明を聞いて、その場では「理解できた!」と思っていても、実は「理解したつもりになっていただけ」かもしれません。いざ、自分ひとりで問題演習をしてみると全く解けないということはよくあることです。

 

さぁ、あなたならどうしますか?「また次回、家庭教師に説明してもらおう」とそこで放置しますか?それとも、授業中に家庭教師が説明に使った教材を見直したり、家庭教師と一緒に解いた問題を再度、納得いくまでひとりで解いてみたりしますか?

 

自分で復習したら(調べたら)分かることを、家庭教師に教えて貰うのは無駄だと思いませんか?そのぶん、学習進度は遅れますし、さらに深く学べるチャンスを逃しているのですよ。

 

また、家庭教師はあなたの弱点補強のために、毎回宿題を課していると思うのですが「宿題の間違い直し」も主体的に取り組んでいますか?

 

マルつけをして、間違った問題の正答を赤ペンで書き写しているだけではありませんか?

 

答えをいきなり写すのではなく、自分でもう一度問題を解いてみて、答えの解説を理解できない場合だけ、次回、家庭教師に質問しましょう。こんな基本的なことができていない人も多く見受けられます。

 

教師としては質問をたくさんしてくれることは嬉しいのですが、質問の受け答えだけで授業が終わってしまうのは勿体無いですからね。

 

「馬を川に連れて行くことはできても、水をのますことは出来ない」という諺があります。つまり、試験場で問題と格闘するのはあなた自身で、家庭教師は横で助けてあげることはできないのです。