1、学校は生徒にとって本当に安全な場所なのでしょうか。(トライ高等学校)

 学校とはどんな場所なのでしょうか。生徒の自殺が報じられることのない年はありません。話は飛ぶようですが、現在日本では武道が義務教育で必修化されています。マスコミも武道関係者も武道の美徳を強調しています。

 

しかし、柔道の練習で死亡した日本の生徒・児童はこの27年間で110人に上っています。しかし、そうした事実をご存じの方は少ないのではありませんか。偶然の事故でしょうか。

 

しかし、110件は偶然というには多すぎます。フランスを例にして説明しましょう。フランスの柔道人口は56万人だそうです。日本の同人口が17万人であることと比較してもこの数が非常に大きいことは理解できます。

 

ここで特筆すべきことは、フランスの柔道人口の多さではありません。日本と比べて約3倍の競技人口のフランスにあって生徒・児童の練習中の死亡事故はゼロという事実です。この差は、なぜ生じるのでしょうか。

 

 思うに、学校とは教育の場です。教育とは子供の健全な成長を実現する環境を提供することが存在理由のはずです。柔道は、確かに原点は武道です。したがって訓練の途中で命を落とすことはあるでしょう。しかし、たとえ原点は人を殺傷する手段であっても、教育の一環とされた時点でより高度の価値観の下にその性質を変貌する必要があります。

 

つまり「教育の手段としての柔道」は「武道の柔道」と切り離さなければいけないということです。フランスにおいて同じく柔道を幼い子供にも練習をさせています。しかし、死亡事故は起きていません。

 

なぜでしょう。優先順位が異なるからです。日本が柔道を学校教育に導入した理由は、文部科学省によれば、柔道は日本文化であり、攻撃したり防御したりする喜びを感じ、延いては武道の基本的な考え方を理解し相手を尊重する精神を育むためだそうです。武道の性質から出てきた発想のようです。

 

 一方、フランスが教育に現場において一番大切にしていることは「子供の命」です。したがって、教育の場で子供が命を落とすという状況は論外なわけです。「武道の精神を伝えること」が優先順位の最上位にきている日本とは、根本的に教育に対する考え方が異なるのです。現在、日本では110人の生徒・児童の犠牲者がでているにも関わらず、武道の義務教育の指導は継続されています。

 

2、不登校生徒の全体に占める割合をご存知ですか?

  文部科学省が平成28年10月27日に発表した「児童生徒の問題行動生徒指導上の諸問題に関する調査」によれば35人に1人の割合で不登校が発生しています。不登校以外にも中学生が電車に飛び込んで自殺したとか、あるいは高校生がビルの屋上から飛び降り自殺をしたという耳を疑う報道を聞くことがあります。

 

そうした場合、現場関係者、教員、学校、果ては教育委員会のコメントは、親権者の責任を言及するものが多いようです。でも、子供の自殺は、親権者の責任だけでしょうか。もし、そうであれば、学校に通っていようがいまいがいずれにせよ、その子は自殺することになります。でもそうはなっていません。

 

現に不登校になってその後不登校支援校に入り直して立派に卒業したということはよく耳にします。一般の学校に対するイメージは、子供が安全に成長する場というものでしょう。しかし現在日本に存在する全ての学校は、そのイメージに合致するサービスを提供しているのでしょうか。その真偽をどのようにすれば確認ができるでしょうか。否、確認した個人あるいは機関が存在するのでしょうか。確かに、文部科学省は、日本の教育を管理する行政です。しかし、100%日本全体の教育の現状を把握しているのでしょうか。

3、トライ高等学校は、子供の笑顔を取り戻そうと頑張っています。

 教育とは、子供の成長を助け支えることです。安心できる環境を提供することです。人の成長を望むなら、まず人は一人一人異なるということを受け入れなくてはなりません。誰でも同じようにできないから人間なのです。大量生産のロボットではありまえん。個人によって得手不得手があります。

 

そうした子供たちの潜在可能性を最大限に引き出すには、じっくり子供を観察する必要があります。トライ高等学校では、各教科ごとに一人の教師が一人の生徒に付きます。すべての教科において専門の担当者が付きます。

 

教科担当は、全てトライの試験に合格した教師です。勿論、集団での活動もあります。一般の学校と同じように部活動も運動部、文化部両方完備しています。修学旅行もあります。変わったところではボーイング大会や焼き肉パーティーというものあります。

 

4、トライ高等学校のキャンパス

 トライ高等学校のキャンパスは全国47都道府県に存在します。その中の飯田橋校・東京についてご説明します。5階建ての嘗てのトライ本社ビルの1階部分すべてを使い教室は運営されています。さらにそのすぐ上で今年から医学部予備校インテグラが新たに後者を移転してきました。私はインテグラに所属している講師ですがトライ高等予備校に出向することはよくあります。なにしろ同じ建物内ですから私に限らず人材の交流は盛んです。

 

 さて、不登校児に対する心のケアについて説明してきましたが、結果も残しています。今年の卒業生の進路は、東京大学1名、京都大学1名、九州大学1名、北海道大学1名、合計4名の旧帝国大学進学実績を残してくれました。そのほかにも難関国立・私大に合計324名が合格していきました。生徒と教師が一対一の関係で最大3年間一緒に勉強していくわけです。

 

しかも教師は、東京大学をはじめ全員名門大学の卒業生です。しかも、担任が終始教室についています。インテグラからの帰りに2階から降りて1階の教室風景を見ることがあります。この子たちは、本当に不登校で苦しんできた子たちなのかと思うほど積極的に活動しています。

 

なによりも今日素津が生徒の背顔であふれています。当然の結果なのかもしれません。生徒の人数と教師スタッフの人数比は、後者の方が多いです。生徒が一人ぽつんとしていれば、スタッフ・教師は声をかけます。不登校について専門に勉強を積んだものしかスタッフになれませんから、生徒の機微の変化は常にチェックしています。

 

5、トライ高等学校では出口は無限大です。(大学だけが目標ではありません)

 多くの生徒は大学受験を意識しています。しかし中には他とは異なる人生設計を考えている生徒もいます。例えば、起業したいという生徒には「簿記」の授業を用意しています。今までの生徒の例を挙げれば、「プロ漫画家になりたい」という生徒がいました。「声優になりたい」という生徒もいました。「Jリーガーになりたい」という生徒もいました。

 

トライでは「大人の家庭教師」という部署があります。そこに在籍している家庭教師の方たちは今までの家庭教師像では想像できない方ばかりです。一例を挙げれば、元プロ野球選手・日本代表でワールドベースボールに出場した経験のある人、あるいはオリンピアすなわち日の丸を背負ってオリンピックに出場した方などが在籍しています。したがって、生徒からどんな希望を言われてもすぐにその道のプロを家庭教師として用意することができるのです。

 

6、大学以外の道を選んだ生徒

 その生徒は声優を目指しました。担当した先生は「夏目友人帳」の「田沼役」で有名な堀江一真先生です。「アクセント」所属の現役の声優の方です。先生からのコメントがトライ高等学校に掲載されていますので紹介します。

 

「声優を目指している高校生だけに留まらず、声優に興味があり体験したい!という生徒さんに対しても指導をしています。現役声優だからこそ現場の生の声や雰囲気を伝えることができます。

 

 プロとして活動するためには、相当の努力をしなければなりませんし、それは声優のスキルだけに限ったものではなく、幅広い知識なども身につけなければなりません。私は、あきらめずに努力し続けることの大切さや、夢を掴むことの素晴らしさなども私の授業内で伝えられるように意識しています。

 

声優ゼミを履修する生徒さんの中には、それまで家にこもりっきりで外に出ることのできなかった子もいました。そんな子が、私のゼミで視野を広げて、何かにチャレンジしようとする気力が湧き、『ひきこもり』状態から脱却できたケースもありました。そんな私だからこそできることで後見したいと思っています。

 

7、従来型の通信制高校も完備

 いきなり多くの人のいるところはちょっとという生徒さんもいらっしゃると思います。そうした生徒さんには、「通信制高校」をお勧めしています。通信制高校の特徴は、レポート指導が中心になります。学年生ではなく単位制になります。すなわち高校卒業認定に必要な単位を揃えれば高校卒業の認定を発行します。

 

また、年に数回スクーリングがあります。そこでは、同じ境遇の生徒が集いますので、自分を相対的に観察するチャンスとなります。基本的に生徒の数より教員・スタッフの数の方が多いですから、もし不明点があれば気軽に声をかけてください。毎月各都道府県のサポート校で説明会を開催していますので一度ご覧になってみてはいかがでしょうか。入学に際して「内申書」はまったく考慮されませんので、中学時代に長期の不登校であったとしてもまったく問題ありません。

 

 高校を中退された場合は、以前在籍していた高校の取得単位は、通信高校に入学してもそのままカウントされます。

 

8、サポート校も充実しています。

 不登校といっても色々原因があるものです。単に在籍した学校の方針に合わなかった場合と精神的に追い詰められた場合を一緒くたにするのは、乱暴というものです。トライでは、生徒一人一人が抱える問題を不登校を専門に研究してきたスタッフが相談の上、最良と思えるコースをご提示します。コースは大きく分けて3つあります。

 

1、全日性高校
2、通信制高校
3、サポート校

 

 全日制は、一般の高校と同じです。異なる点は、一対一の授業体系と講師がすべてトライのプロ講師という点だけです。通信制に関しても従来の通信制と大差はありません。一番異なるコースは「アポート校」であろうと思います。

 

この制度は、原則として「通信制高校」に在籍していただいて高校卒業認定を取得していただくのを前提として、学習面だけでなく、精神面においてもケアしていこうというコンセプトで立ち上げられたプロジェクトです。通信制高校において単位を取得すれば確かに高校卒業の認定は手に入ります。

 

しかし、それでは、不登校だった精神面の改善にはつながらないと考えられているケース、あるいは高校認定は所得したけれども、その後うまく社会に溶け込んでいけるか不安を感じているケースはあると思います。トライでは、これを好機として単に高校認定をするに留まらずに精神面のケアも一緒にやってしまおうということを考えています。

 

 考えてみれば当然ですが、不登校になった生徒の一番の寛大は高校認定を手にすることではありません。不登校という一種の人間不信の状態から脱することの方が専権事項です。そこを改善しないまま社会に放り出されても人間不信の状態が改善されないままでは、高校卒業後においてもうまく社会に適合できなくなる可能性が高いわけです。

 

換言すれば、高校卒業認定は、社会に適合して初めて効果が発揮されるものだということです。また社会から引きこもりになってしまっては、折角取得した高校認定の資格もただ持っているだけでそこからなんにも発展することはないわけです。

 

 不登校の精神面のケアは素人には難しいものです。理論、理屈をしっかり勉強した上で何十、何百という経験を経なければ一人前のカウンセラーにはなれません。此の点、トライ高等学校のサポート校では、ベテラン講師を何人も用意しております。

 

さらには、講師がチームを組んで情報を共有する方法を取っています。詳しく説明すると各授業の終了後に「カルテ」と称するデーターファイルがあって、そこに気が付いたことを書き込んでいきます。一人の生徒には、必ず一人担任がつきます。定期的に担任は自分の担当する生徒のカルテを精査します。問題だと思えば、担当講師を交えてヒヤリングをします。さらに、心理カウンセラーと連携を密にして対応しています。